大いなる帰還【豚山肥太】

豚山肥太の詩と小説を綴るページ

2017-03-03から1日間の記事一覧

口紅さえあればいい【詩】

土曜日の夜に添えられた 悲しい出来事 グラスには溶け出した氷 はやくしないと終電がなくなる 伝えることは伝えた 答えもしっかり返ってきた だけど 私の唇がなぜこんな色 せっかく 映えるように塗ったのに 口紅を手にとって 夜を塗り替えてしまおう 口紅で…

顕在化しない決まりの感情【詩】

この気持ちは持ってはいけない そうずっと考えている この気持ちは絶対に人に伝えてはいけない 世の中には沢山の人を思う気持ちがあるけれど 僕は少しづつ積み上げた やさしさで出来たこの気持ちを 誰も彼にも隠して生きていく せめて詩の世界なら 僕の罪も…

篠田さんじゃない【詩】

年が十くらい違う若い子と話す機会があるかもしれないと思って 髪型をソフトモヒカンにしようとしたら、注文間違えて、バカボンみたいなった 最近の子は、日常会話にAKBの話とかするんかなと思って、溜め込んだ漫画雑誌のグラビアページ読んで どの娘が好み…

才能を下さい【詩】

真昼の光が寒い秋のはじまりを照らす 僕はベランダのガジュマロの木を見ながら 描きかけの漫画のネームをほっぽり出して 今日はあの娘に会えるかな なんて片思いの言葉を パソコンに向かって刻んでる あの公園の側にあるパン屋に行けば たぶん 会えるんだ あ…

Poem meets Headphone Boy and Girls【詩】

ヘッドフォンボーイズ・アンド・ガールズ 信じられるは音楽。 音楽思想。 音楽崇拝。 流行り。廃り。 カンケーなく。 ヘッドフォンのボリュームは大いに上がる。 ドウテーが、ロックやる時代。なう。 もはや、怖いもんナシ。 チャート至上主義がなんたら、か…

何もできないから何もしないんだ【詩】

まったくもって ていたらく さいのう なんて これぽっちもない 凡人が居眠りしてたら そんな間に 才あるひと は いくつの名作を まったくもって ていたらく ただでさえ なまけ癖がひどいのに 凡人がなまけていたら そんな間に 才あるひと は いくつの名作を …

憂える四月。刮目の五月。【詩】

私達は知り合ったばかりで 上手く言葉が交わせない この地上のありとあらゆる 閃きと鉄くずの集合体。 希望への賛歌 憤りの六月。 くだらない くだらない 自己を投影し 安上がりな始末。 ウォシュレットに賛辞を。 片栗粉に住む、古い人達。 規模を縮小した…

I'm 34【詩】

本当に幸せがお金なら 世の中の人は、こうも迷わずすんだでしょう 世にはありとあらゆる万物の幸福があり それは誰かによって決定できるほど 人の心はたやすくはないのです。 僕の人生は、今、34年目。 いろいろな事で、悩み考え落ち込んで、人に迷惑をかけ…

花の季節の春言葉【詩】

春先に言葉のナイフと正面衝突。 心はもろくて、弱くて、寝たら治るはず。 傷口を大事に扱い過ぎていたら、 自分の顔が傷口になっていた。 どこへいってたんだ。 心配したじゃないか。 心はいつも、あらぬ方向へ彷徨っていく。 もう、やめよう。 傷は、僕だ…

とてもダサい。でもそれが僕です。【詩】

やがて 誰かに 届くように 手紙を毎日 綴る へたくそな字で へたっぴな文章で ひたすら 一生懸命に 拝啓だとか前略だとか 使い方も知りはしないから 親愛なる の意を込めて Dear と、僕は、書くよ。 だれよりもだとか この世で一番だとか 思わないけどさ と…

ばんそうこう【詩】

あなたは傷だらけで あなたの声や あなたの笑顔や あなたの作ったものが たくさんの人たちの傷の ばんそうこう やさしい やさしい ばんそうこう 僕もやはり傷をおって あなたのばんそうこうが 治癒へとむかわせてくれる 僕の 声や 笑顔や 作ったものは ひど…

祖国【詩】

思い出に色彩はなく ただ あるのは 痛みと悲しみと くるしみ だけ そこから 立ち上がろうとした 私たちは もう 失うことさえ なにもないのなけど こわい こわい おそろしいのだ また 地獄門をくぐるのかと 叫びにならぬ 笑顔をうかべ 今日も 平々凡々をくゆ…

パクリノ歌【詩】

ケーブルテレビつけたら、CからはじまるABCが流れていた 嗚呼、これだ!! この感覚だ!! 僕らは、毎日をアーダーコーダー言って 奴隷の様に働いて 腐ったまま死んで行く 忘れてしまいたいほどの記憶は 削除 削除 削除 なんてありきたりな ボク なんてあり…

思考のワイルサイド【詩】

僕は その頃は まだ 若くて やがて 暮れゆく 夕日を 見ながら よく叫んだんだ ポカリばっか飲んでたよ 彼も同じ様なことだったし どだい僕らには 最初から 明日はないのさ 絶望との再会 希望との離縁 ためらわない言語感覚は 飛躍に跳躍し わたしは ただの …

ダサい歌だ【詩】

くじけた心が 吐き捨てる どうせ どんなにあがいても 人生は 終るんだろう それでも 構わないじゃないかと 心の一つはいう 小さな悩みで 悩めてた頃は それはそれで 幸せだったかもしれないしれないけど 今の大きな悩みと対峙できる あなたは 強く たくまし…

我らの紺碧を唄う【詩】

我らの前に 脈々と続く大陸 果てどの無い旅路の果てに たどり着いた安息の地よ 君の名を呼んでみる 誰かでは無く君の名を 安からかに眠れ 戦いすぎた戦士よ 過去が現在に反射して 今の影がやけに薄くなる どうせ どうせ どうせ 欲しかったのは優しさ 疲れた…

きっと、もう怖くない【詩】

ゆずれぬものが大地にあったせいで 私は物を覚えることを忘れた 偉大な書物も、空き缶の箱船も すべて 消え失せちまう 人 一人生きて 誰からも 笑われど 我が名を 辿る人の 無き道を ボリュームが大きくなっていく 頭の中で響く 歌声は 今日1日分の翼をくれ…

もう、恋じゃないはずなに【詩】

なにもかも終わったのさと、チケットを空に投げ捨てて 新しいシャツからはじまる旅に 心はまるで はちきれそうなはずなのに どこかで いつかの君が 意地悪に笑うよ 素敵な歌かな 誰かを救えたかな 短い言葉で 僕の心をカットして 難しい数式みたいなこころに…

キラキラした。んだ。【詩】

幸せな時間があって ふと、思うんだ 僕は、ここにいちゃいけないってね 気持ち悪い人間には気持ち悪い人間の住処があるのさ 日差しのあたらないけれど そこは穏やかで 君にもきっと悪くはないさ そう、役所の窓口のアルバイトに案内されて 僕は、カゴに乗っ…

ことばの最果てで話すLanguageとは?【詩】

どこまでも行こうと思っていたよ ことばの力の限りね でも ことばでは ここまでと いつか知るのだろうし もう知ってしまったこともある 悲しい歌ばかりだよ 真冬に街に積もるように この炎天下に雪よ 降り咲け どこまでも 遠くにいこうとして やがて 気がつ…

万年補欠のSummerLover's【詩】

やすっぽい映画ではなかった それだけは、確実にたしか どこか遠くで まだ 呼ぶ声がする フェデリコ・フェリニーの代表作で もはや、額縁に入ったゲージツと思っていたけど、意外だったくらいに、泣けた やっぱり、人生は悲劇なのかな 倒錯した価値観で狙う…

その日【詩】

さざらう水の源に湧き出た光の生まれし五月に囁かれた運命 稲穂の実り多き大地の街路樹の麓に住処を得たはたらき蟻の一家 瑞々しさを持てあまして情なるままに帰えし心の宿りし木洩れ日 砂礫のままに、陣鳴る中にて、住まい候。 世界をくべえる怠惰の萌芽、…

人間でなくなってしまっても忘れない【詩】

世界のすべてよ わたしに 教えておくれ この命は 価値があるのだろうか やがて引き潮が来て なにものもかな 我が泣き声も 一善の善し悪し からめゆく進軍 後者の理論 6階のフィールドワーク 忌憚なき 燃え上がる四月 きらめきと 他になにが 必要? 世界を少…

僕が音楽だったころ【詩】

夜の街を五線譜をかけるように縫うて走る 僕はまるで音楽のよう ここは銀河か 大舞台 悲しみがありて 喜びがある 喜びの最上級は 失い なのだと いずれ君も知ることになる あるいは、悲しみなのかと。 世界はまるで、音楽のようで、僕も夜の街を縫うように走…

嗚呼、世界の割れる音しか聞こえないから【詩】

自分の醜さに 愚かさに 気づくだけさ 詩なんか 書いても 全ての詩は 晴れた朝の 朝食がパンを買ってきていい日曜の朝のようである。 何もかも終わったんだ。 新しい人生を ギターかき鳴らしたつもりで飛び跳ねて ただ 叫んだ 俺生きてんですか?って。 自分…

私には本当に私を笑うことができない【詩】

すきま風の頃に 歌声を聴いた 背骨が盛り上がる つまらない目録 生粋の聖者 混沌の10月 誰だ こころを さらったのは 青春を無に帰したのは 孤独な大地は あるだけで 僕は遠くを眺めた 大きな大きな入道雲 誰に似ていたのかな 誰になろうとしていたのかな 鍵…

今日の空の色になることに決めた【詩】

ずっと使い続けてきた鉛筆削りが壊れた 親が受験勉強の頃だから、昔の人はしっかりとしたものを作ったと思った 虹が咲いたら 虹のように 雨が降ったら 雨の如く 僕らは 今日の 空の色に 染まっていけるはずだから 半分に割ってくれたビスケット ペットボトル…

RiverSideの絶望【詩】

どのくらいのことが好き? どのケーキが好き? コーヒーならどれを飲む? タバコは吸わないの? 今年のコートはもう、決めてるの? いくつかの質問。 たぶん、冬には、もっとaikoの曲の沁みる2015年さ ふうん、こういう時に聴くんだと aikoのまとめⅠとまとめ…

さらば我が青春の街と1000通のLove letter【詩】

旅に出ようと思った あてどなくただ、大きなバスターミナルのバスに乗って ビデオカメラを回しながら 質問をやめないでおくれ 僕は答える 例えどんな風向きでも 傷は痛む だからといって 何もかもやめる訳にはいかないんだ たぶん、もう、決まっててさ 生き…

OsakaMarigold【詩】

見ないようにしている それは、怖いとかレベルでは、なく 何もできなくなってしまうから 自分の姿を鏡で見ることほど、キツイものはない 本当に、心から、使うことすら禁じているような悪い言葉を 鏡に映った自分になら、いくらでも吐くことができる 僕は強…