大いなる帰還【豚山肥太】

豚山肥太の詩と小説を綴るページ

私には本当に私を笑うことができない【詩】

すきま風の頃に

歌声を聴いた

背骨が盛り上がる

 

つまらない目録

生粋の聖者

混沌の10月

 

誰だ こころを さらったのは

青春を無に帰したのは

 

孤独な大地は あるだけで

僕は遠くを眺めた

大きな大きな入道雲

 

誰に似ていたのかな

誰になろうとしていたのかな

 

鍵っ子だった頃の鍵が見つかって

 

これでどこへ行けるのかな

これで何を手に入れるのかな

 

青春は素晴らしいと巨像は言っている

70年代の校倉作りは、文句を言ってはあくびばかり

くだらない歌を歌おうとした

 

美しいとかふしだらだとかの類いでなく

 

言葉の上での殉教だ





わたしは にんげん ではない。



遙か上空をちくわが飛んでいる。