大いなる帰還【豚山肥太】

豚山肥太の詩と小説を綴るページ

2022-08-01から1ヶ月間の記事一覧

Sleeping Golem と dwarves

この町にはかれこれ50年近く眠り続ける男がいる。 男は大きな身体をしていて、眠りに落ちるまでは、凄く優秀な事で有名で、勉学に関する事では、今や町というより都市と呼ぶ方が自然な程、発展したこの町でも彼の記録を破るものは現れていない。 男には色の…

Storytelling

朝、男達は稼いでくるぞと拳を上げて家を出る。誰もそのチケットが大当たりしない事は知っている。だけどさ、続けるんだ。いつだって過程の中に私達の墓標はある。 苦悩せよ。100万年経ったって、そうして私達は生み出している。作り出している。 物語はいつ…

暑さによりて

八月が成虫になる折、雨は足音を潜め、風のない季節が流れていた。 僕は極めてよくこの地球にいる人間というやつで、ご飯を食べる為に営業マンをしている。次の営業先へと歩みを進めながら、止まらない汗に危険さへ感じながら、ポカリスエットのペットボトル…