大いなる帰還【豚山肥太】

豚山肥太の詩と小説を綴るページ

万年補欠のSummerLover's【詩】

やすっぽい映画ではなかった

それだけは、確実にたしか

どこか遠くで まだ 呼ぶ声がする

 

フェデリコ・フェリニーの代表作で

もはや、額縁に入ったゲージツと思っていたけど、意外だったくらいに、泣けた

 

やっぱり、人生は悲劇なのかな

倒錯した価値観で狙う最後のルーレット

 

ブルー ベルベット ほど 激しくはなく

 

ギター弾きの恋ほどキュートじゃないけど

 

あごをあげて 呼ぶんだ

ザンパーノ!! ザンパーノ!!

 

いつまでも 僕らは 呼ぶことに決めたんだろう?

ラジオに閉じ込められた青春が叫んでいる

 

愛をさらってしまえ 愛をさらってしまえ

 

希望を最後に見たのは、いつのことだろう

 

哲学者と同じように、詩人はどうせ、解釈することしかできないのさ

アルチュールのやつも言ってたじゃないか

 

詩で世界を変えられなかった

 

ってさ。

 

わかりきった終着点だよ。

単純な迷路ゲームだよ。

 

さようなら 夏の憧れ

さようなら 肘から上がった腕の行方

 

ただ やさしさになりたかった

 

自分を、刺し殺すくらい程の

 

ただ やさしさに