大いなる帰還【豚山肥太】

豚山肥太の詩と小説を綴るページ

その日【詩】

さざらう水の源に湧き出た光の生まれし五月に囁かれた運命

稲穂の実り多き大地の街路樹の麓に住処を得たはたらき蟻の一家

瑞々しさを持てあまして情なるままに帰えし心の宿りし木洩れ日

砂礫のままに、陣鳴る中にて、住まい候。

世界をくべえる怠惰の萌芽、やがて我が名のばかり、六月の霹靂。

法主義的メガネで見た数多なる世界の方陣、弔えど、過渡期へ。

私にとって、永遠は窮するの鈍化。白亜の露米譚。

純粋な神経が摩擦の様な困惑を広げた銀河系の吐露。

落命まさに宿命。世界に一旦の余剰無し、希望の音、希望の隔たり、辞書の伝搬。

美しき世界の生まれに、望まれた懐疑心で挑め、楽乙のホールディング。

悲劇の中に鈍化し混ざりて、内鍵にかなえし、敦路の空虚。

我 見るベ無く 繊細 一生のごとく 我ら 純化の好転。

世界の音を聞け まだ 濁ってはいない。

やがて 幼き日の 歌が流れ わたしは 人の一生を 総じて 上手く 結晶に 純化せし

我が名を生きて

我が誇りに 統べる術も持ち合わせぬ。

ただ 我が名を生きて

忘れぬ 思春期の 最果て。