大いなる帰還【豚山肥太】

豚山肥太の詩と小説を綴るページ

2017-03-01から1ヶ月間の記事一覧

その日【詩】

さざらう水の源に湧き出た光の生まれし五月に囁かれた運命 稲穂の実り多き大地の街路樹の麓に住処を得たはたらき蟻の一家 瑞々しさを持てあまして情なるままに帰えし心の宿りし木洩れ日 砂礫のままに、陣鳴る中にて、住まい候。 世界をくべえる怠惰の萌芽、…

人間でなくなってしまっても忘れない【詩】

世界のすべてよ わたしに 教えておくれ この命は 価値があるのだろうか やがて引き潮が来て なにものもかな 我が泣き声も 一善の善し悪し からめゆく進軍 後者の理論 6階のフィールドワーク 忌憚なき 燃え上がる四月 きらめきと 他になにが 必要? 世界を少…

僕が音楽だったころ【詩】

夜の街を五線譜をかけるように縫うて走る 僕はまるで音楽のよう ここは銀河か 大舞台 悲しみがありて 喜びがある 喜びの最上級は 失い なのだと いずれ君も知ることになる あるいは、悲しみなのかと。 世界はまるで、音楽のようで、僕も夜の街を縫うように走…

嗚呼、世界の割れる音しか聞こえないから【詩】

自分の醜さに 愚かさに 気づくだけさ 詩なんか 書いても 全ての詩は 晴れた朝の 朝食がパンを買ってきていい日曜の朝のようである。 何もかも終わったんだ。 新しい人生を ギターかき鳴らしたつもりで飛び跳ねて ただ 叫んだ 俺生きてんですか?って。 自分…

私には本当に私を笑うことができない【詩】

すきま風の頃に 歌声を聴いた 背骨が盛り上がる つまらない目録 生粋の聖者 混沌の10月 誰だ こころを さらったのは 青春を無に帰したのは 孤独な大地は あるだけで 僕は遠くを眺めた 大きな大きな入道雲 誰に似ていたのかな 誰になろうとしていたのかな 鍵…

今日の空の色になることに決めた【詩】

ずっと使い続けてきた鉛筆削りが壊れた 親が受験勉強の頃だから、昔の人はしっかりとしたものを作ったと思った 虹が咲いたら 虹のように 雨が降ったら 雨の如く 僕らは 今日の 空の色に 染まっていけるはずだから 半分に割ってくれたビスケット ペットボトル…

RiverSideの絶望【詩】

どのくらいのことが好き? どのケーキが好き? コーヒーならどれを飲む? タバコは吸わないの? 今年のコートはもう、決めてるの? いくつかの質問。 たぶん、冬には、もっとaikoの曲の沁みる2015年さ ふうん、こういう時に聴くんだと aikoのまとめⅠとまとめ…

さらば我が青春の街と1000通のLove letter【詩】

旅に出ようと思った あてどなくただ、大きなバスターミナルのバスに乗って ビデオカメラを回しながら 質問をやめないでおくれ 僕は答える 例えどんな風向きでも 傷は痛む だからといって 何もかもやめる訳にはいかないんだ たぶん、もう、決まっててさ 生き…

OsakaMarigold【詩】

見ないようにしている それは、怖いとかレベルでは、なく 何もできなくなってしまうから 自分の姿を鏡で見ることほど、キツイものはない 本当に、心から、使うことすら禁じているような悪い言葉を 鏡に映った自分になら、いくらでも吐くことができる 僕は強…

サヨナラが言えないけど、どうしたらいいんだろう【詩】

色んなことが、上手くできるようになったと思っていたけれど ものすごく ややこしくて めんどくさい 自分が出てきて 嫌になる なんか、さらりとしないもんかねだよ。梅酒のように。 僕の心の中のなるみ姉さんが、ハーレーに乗ってやってきて じめじめすなっ…

アネモネ燃ゆりて【詩】

いつか咲く アネモネの花言葉の様に はかない希望を 抱いて 誰にも見つけてもらえなかった だから 叫ぶしかなかった 僕 ここで生きてますって 向かってますって はかなかろうが かすかに見えた希望を信じて 鉛の様な言葉が降ってくる 僕の一番の弱点をついて…

僕の手紙【詩】

心の中を秋の色に染まり始めた風が吹き抜けていく 色んな人から忘れられて ここにいる もう、届かないのかな 気持ちは、少し温かいレモネード 何もできなかったんじゃないかって 心の中で小さな僕がはやし立てるけど 大きすぎるから なかなか踏み出せないこ…

小さな痛み【詩】

君が泣いてたとき 僕も共に泣けるように 心の中には 小さな決心があり 君が笑ったとき 僕も笑えますように 心の中には 小さな痛みがある 誰かを救おうなどと 思ってみたけど 誰も救えなくて 自分を自分が笑った 何の為にあるのだろうと 僕は祈りの様に わた…

夜の夢【詩】

頭の中がこんがらがっていました あなたを見つけたら すぐに抱きしめて 強く唇を奪った 愛のはじまりではなく 衝動で あの頃は生きていました 夜のことでも、結局、何も出来なくて ただ、二人、裸で胸と胸をあわせて 抱き合っていました こういう時 心臓の音…

夏の海で【詩】

遠くなっていく街の灯り はるか上空を行く飛行機 僕のポケットには 幸福行きは入ってなくて 今まで通った映画の半券だけがつまってた どうして、時間は世界をふたつに分けるように 僕をわかってくれない 愛とか恋とか、そんなもんどうでもいいんんだ 丸抱え…

星満ちる時【詩】

どうも うまくいかないんだ と 涙を目の海に浮かべて 頭をかきむしった もう、こんな年になるのに 何一つ うまくいかないんだ 丘の上からは デートに向かうカップルが見え 向こうの丘では 幸福そうな家族が暮らしているんだ ここは 地獄かなって 何度も 何度…

外国人旅行者の電車内でのゴリゴリしたマナーに思うこと【詩】

この電車は異国びと混じりで 座席争いに露骨にゴリゴリやってくる トラベラー 腹も立ちもした風情で挑む異文化交流会 テイクアウト ゴリゴリ アンド ドント ハブ デリカシー OK I WILL GO THERE 空が窓の向こうに見えていて 僕らは再会したのか はたまた 今…