大いなる帰還【豚山肥太】

豚山肥太の詩と小説を綴るページ

小さな痛み【詩】

君が泣いてたとき

僕も共に泣けるように

 

心の中には

小さな決心があり

 

君が笑ったとき

僕も笑えますように

 

心の中には

小さな痛みがある

 

誰かを救おうなどと

思ってみたけど

 

誰も救えなくて

自分を自分が笑った



何の為にあるのだろうと

僕は祈りの様に

 

わたしは なに を して生きればと

本当に恐れながら 夜の中を 這っている

 

君が 笑えるように

もう少し 悲しみを先に知っておこう

 

傷の直し方なら

もう、知っているから

 

どうして、こんなにも、僕は醜いのかな

何かの呪いかな

 

心が強く痛む

 

誰かを愛することほど

自分の醜さを知ることはない

 

僕は人間じゃない

そう、確信的に断定できるほど

 

僕は戻れぬ河を渡った

 

ただ 何かを作る事が 世界の全て

詩も 言葉も 歌も 絵も 映像も マンガも 造形物も 下手くそな笑顔も

 

僕はおそらく その為に生まれてきた

 

誰かを愛すためではなく

 

作品を作るために

 

何も自分で決めてしまうことはないよと

 

誰かが言う

 

その言葉に 少しの期待をして

 

また、今日も

 

風にふかれ 雨に打たれ

 

僕は 君が泣いたとき

 

僕も泣けるように

 

心の中に小さな決心をする