大いなる帰還【豚山肥太】

豚山肥太の詩と小説を綴るページ

アネモネ燃ゆりて【詩】

いつか咲く アネモネ花言葉の様に

はかない希望を 抱いて

 

誰にも見つけてもらえなかった

だから 叫ぶしかなかった

 

僕 ここで生きてますって 向かってますって

はかなかろうが かすかに見えた希望を信じて

 

鉛の様な言葉が降ってくる

僕の一番の弱点をついて

 

また、そのボタン押したらダメだって

誰もまた、信じられなくなるから

 

強くはなったかい

ばあちゃんはそう言うと

せんべつだと言って

 

500円の図書券をくれる

ばぁちゃん もう 図書券使えないんだってば

 

気持ちは大事だよ

気持ちは大事

 

値段とか、みてくれで生きてんじゃねえんだ

 

俺にだって 歌える歌くらい あらあなぁ

 

絶望から這い上がった人間を あもう見てたらあかんで

 

ドラマチックに めっちゃめっちゃ ドラマチックに

 

ぼくらはみんな生きてやる

 

とでも歌ってやらい

 

火は着火点に入った 冷静さを保て 怯えることはない

傷が付く前に もう お前は傷だらけでできている

これ以上 深い傷は 追わなくていい

 

明け方 椋鳥の鳴く頃 僕は世界と等価の 希望を手に入れる