大いなる帰還【豚山肥太】

豚山肥太の詩と小説を綴るページ

2017-02-15から1日間の記事一覧

永久の次回作【詩】

宵闇に 君の欠片を探しては 紛れもなく あなたは 僕にとって 生きる理由 それと等価だった きっと君は今頃 晴れた日の澄んだ朝の空気の様に また 誰かの心を射止めているだろう 片思い一万年 苦しくて 苦しくて 君に詩を 三千丈 奈落に落ちた 魂達は やがて…

注意事項※空の飛び方に関する羽根の有無について【詩】

皆目、見当がつかないから Love letterは、封をしたまま、忘却のコインランドリーに 流し込むんだ ラッキーだった シュレッダー ジェネレーション 六法全書にも載ってない 新しい法律で 私は苦々しく ブラックコーヒーを喉に通した どうしてと どうしての 間…

コカ・コーラで作る楽しい都市計画入門【詩】

夕暮れの街では君が 晩ご飯を考えて にやにやしている 僕は僕で詩の言葉を ピンセットで 電柱の広告からつまんでいる あの人は疲れをとばすように 優しい言葉を仲間にかけるよ 穏やかで優しい街の一日の終わりが 今 ゆっくり始まろうとしているよ あいつは確…

隣人現れず、だがしかし、君、諦めるに至らず【詩】

いい髑髏になりそうだと 頭蓋骨の形を褒められたので 医師になろうと思った 優しいところがあると 動物の飼育の様子を見て言うから 牧羊犬になろうと決めた ユーモアのある絵を描くからと ブログを薦められたので 映画館の看板描きに弟子入りした 遠い 遠い …

バスキア タイムス【詩】

芸術家を名乗るなら 恐れるな 孤独と孤立を恐れるな 理解されることを 求めるな お前の行く道は 誰も踏まざる道 だから 行く意味があるのだろう 怖いのは知っている だから とびきりに だから 水面下で契約の調整を バスキア タイム バター フレンドリー ア…

ルージュ・キッサバ・システマティック・ガール【詩】

最悪に始まった 週末のフライング いちかばちかのダイナマイト きっといい男だろう そうやって噛みしめた 君の顔が車の窓に映っている 心のシャッターを切るようにして 曖昧な 僕らにとっての 愛とは とか 禁じられた想いの底で 人はいかにヒューマニズムを…

カルバン クライン アダムズ シート【詩】

ささやかな会でした 少しうつむいていると 睫毛が目に入った様で 涙が出ました だまくらかしたつもりはなかったけれど 私にもそんな頃があったのです そう主張するように 国民偏差値一国一城 前納返金売却令 アウトサイダーからお越しよ くだらない歌 歌うっ…

君を百万遍【詩】

曖昧な世界での根拠に過ぎず 君の存在の証明には至らない くだらないカードだ 捨てちまえ 君は言葉ではなく 人間だ 寂しいときは 呼んでおくれ だけど、特別悲しい時にだ おいらが来てやる 何もう、何も怖くない ストップウォッチにとりつかれてしまって ベ…

オリンピック出場への役所での手続き【詩】

結局、同じ失敗の繰り返しだ 人生の最後に、そう、思うなら オリンピックくらいなら 出ておけばよかった 役所で手続きをすませればいいらしい 隣の家のご婦人が回覧板ついでに教えてくれたのに ハッピーニューイヤー どんな時でも新年を祝おう ろくでもない…

言葉を忘れた詩人【詩】

この街の夜空は 黒いインクを流し込んだようで めざし帽の男達が 真夜中の 24時間コンビニエンスに 徘徊している 言葉の前にキーボードを叩け 発想は後からでも遅くはない まず、言葉のカードをきれ 全ては漸進的運動体 躊躇無きエンターキーの プラズマティ…

ヒッピー【詩】

軽々しくも 美しさをたたえた お前に この世界は似つかわしくない 断絶 絶縁 遠慮なく ごちそうさま 新しい車を買ったからと 男は海に私を誘う 真冬の海なんて 後悔の前にすることがあるだろうに 贖罪の前にすることがあるだろうに ヒッピー と口笛吹けば 悲…

星よ【詩】@2012

この街の夜空に星の瞬く時はない 遠く銀河の果ての恒星よ 寂しくないか 夜のビジネス街をママチャリで走りながら 孤独感でたまらなくなるよ 恒星よ 名前をなんという 遅めの晩飯食べに入った定食屋で こらえきれず歯ぎしりして泣いた 「いったいどこで間違え…