大いなる帰還【豚山肥太】

豚山肥太の詩と小説を綴るページ

星よ【詩】@2012


この街の夜空に星の瞬く時はない

遠く銀河の果ての恒星よ

寂しくないか

夜のビジネス街をママチャリで走りながら

孤独感でたまらなくなるよ

恒星よ

名前をなんという

遅めの晩飯食べに入った定食屋で

こらえきれず歯ぎしりして泣いた

「いったいどこで間違えた?」

孤独は人を育てるよ

星よ

空が泣いて 大きな涙の粒が 落ちてこないか 

ずっと 眺めてた ランドセルの少年は僕だ

星よ

高校生達の遠足の中、一人、辞典みたいな文学全集、ずっと読んでたのは僕だ

星よ

この孤独の内に ひたすら 絵を描こう

星よ 君は恒星だろう

君に「希望」と名前をつけて

名も無い絵描きは

君を描くよ