大いなる帰還【豚山肥太】

豚山肥太の詩と小説を綴るページ

布団の中に逃げ込んで思うのだ【詩】


わかってらいと

人はひとりと

口うるさいから

黙って

布団をかぶって

泣いていた

誰か話を聞いておくれ

少しでも長く聞いておくれ

流されいく歴史のマイルストーンの建設の音は

鳴り止まず

わたしは

黙って

布団をかぶって

泣いていた

名前の理由をたずねようにも

わたしは誰の子だったか

太陽に照らされて

忘れてしまった

誰か くだらない話に耳を傾けて

誰か 感情のままに 話を聞かせて

複雑な工事の状況報告は

そのまま 歴史の大展開点

優しかったな

だけど 怒ってるだろうな

わたしは やはり酷い人間だ

 

靴を履いた人間の一人で

紙幣を所持していて

髪の毛が生えている

寂しい思いで

夕暮れを見つめていると

遠くの星で

君が楽しそうに誕生日会を開いている

遙か 惑星違いの 距離のヒエラルキー

ホームランなら届くかな

170キロのストレートなら届くかな

ウサイン・ボルト さんべん 負かしたなら

いけるだろうか

 

君の希望の場所に

君の穏やかな 時間に

君のまどろみに

思いなんて

誰にも解釈も言語化もできないさ

人間はわたしたちが思う以上に

低俗でやっかいで

時にキュートなのさ

誰か 話を聞いておくれ

いつもの喫茶店

布団から抜け出して

おろしたてのズボンで

水面の下を水面がはしる

思いに重なるように 思いが伝う

輝きだした大地に告げよう

ひとはひとりと知っているから

思いは惑星ひとつぶん

 

誰か 話を聞いておくれ

つじつま合わせでいいいから

ひとりであることを

地球にいる間は 忘れさせておくれ


タンギング スタッカート

ブレスレス

タンギング スタッカート

ブレスレス

やさしさが 

ほしくてわざと

ないたふり

タンギング スタッカート

ブレスレス

タンギング スタッカート

ブレスレス

ブレスレス