大いなる帰還【豚山肥太】

豚山肥太の詩と小説を綴るページ

君を百万遍【詩】

曖昧な世界での根拠に過ぎず

君の存在の証明には至らない

くだらないカードだ

捨てちまえ

君は言葉ではなく

人間だ

寂しいときは

呼んでおくれ

だけど、特別悲しい時にだ

おいらが来てやる

何もう、何も怖くない

 

ストップウォッチにとりつかれてしまって

ベストを出す意味を

はき違えるんだ

時間のために生きているんじゃない

安い酒だから

妙に酔う

これが似合いだと

おたふく被って

踊り舞う

人は約束もしていないのに

言葉に振り回されて

生涯を生きる

真実も所詮、言葉であるとなぜ、気づけぬ

美しい 花嫁さんと

ご立派な 花婿さんが

狐と 天気を間違えて

見事に立派な 冠婚葬祭

私の名前を呼んでおくれ

おいらの出番はないのかい

スーパースターにも

スーパーヒーローにも

なれぬなら

毎晩、街々のゲームセンターの

パンチングマシーン壊して回る

この世の王の俳諧

口紅をひいた日に

出会っていたらよかった

 

ならば こんなに強がって

恋文をしたためずに

国境を越えられたのに

しらばっくれて

曖昧 針千本

リチウムに

フェルマータで娑婆らら


例え

君と100人会っても

あなただけ忘れない