大いなる帰還【豚山肥太】

豚山肥太の詩と小説を綴るページ

オリンピック出場への役所での手続き【詩】

結局、同じ失敗の繰り返しだ

人生の最後に、そう、思うなら

オリンピックくらいなら

出ておけばよかった

役所で手続きをすませればいいらしい

隣の家のご婦人が回覧板ついでに教えてくれたのに

 

ハッピーニューイヤー

どんな時でも新年を祝おう

ろくでもない人生を

少しでも華やぐように

美しくて

煌びやかで

ハッピー

ハッピー

給料日

 

トレンディで

まぶいぜ

フルーティー

フルーティー

連休

アバンギャルド

ビッグボーナス

スターダスト

スターダスト

タクシーチケット

あたしには 名前というものが そもそも ございませんから

世界にひとつだけの ひとつだけの 名前をつけて下さい

ラッキービジネス

ラッキービジネス

今夜はおごり飯

寿司 寿司 寿司 回らない寿司

やっぱり オリンピックに出とくべきだった

金メダルをとれば

その後の人生で色々ついてくるそうだ

だって、くじ運悪くないもの

でとけばよかった

 

くだらない平凡な日常じゃなくて

小市民的な喜びじゃなくて

狂っちまっていいから

勝負したかった

サルバトール サルバトール

言葉よ 永遠なれ