大いなる帰還【豚山肥太】

豚山肥太の詩と小説を綴るページ

コカ・コーラで作る楽しい都市計画入門【詩】

夕暮れの街では君が

晩ご飯を考えて

にやにやしている

僕は僕で詩の言葉を

ピンセットで

電柱の広告からつまんでいる

あの人は疲れをとばすように

優しい言葉を仲間にかけるよ

穏やかで優しい街の一日の終わりが

今 ゆっくり始まろうとしているよ

あいつは確か出張先で

弁当の二つめにありついて

舌を出して、腹をさすっている

あの子はどうやら

やっと売れる物が作れたようで

とびきりのプレゼント

自分に贈るのさ

あの人もタバコをくゆらせて

上手くいかない人生を

一発修正するボタンはないかと考えて

やっぱり、真面目にやろうと

思い直している。

どんな時にだって

優しさが君に寄り添っている

泣きそうな時には

強く握りしめて

笑い合えばいい

都会の街では

いくつもの挫折がもくもくと宙を舞い

悲しい失恋の歌がアルコールに溶けていく

優しさが君と共に走るから

恐れずに

笑顔のある今日を歌おう

誰かに勝つとか負けるとか

そんな喧噪も

街には溢れてもいるけれど

みじめになるのがわかっていても

僕は伴奏をやめない

くだらなかったって言われたって

空を飛ぶ気も

海を泳ぐ気もなくて

たった ひとつの

約束を守るだけ

コンクリートの城下町で

私は人を傷つけた事があったから

みんなが寝静まるまで

街でギターを弾いて

寂しさを見つけては

一杯やって

くだらない冗談で笑うんだ

もう 誰も傷つけたくないから

明日が不安にならないように

君が眠るまで

馬鹿みたいな踊り

してみるんだ