大いなる帰還【豚山肥太】

豚山肥太の詩と小説を綴るページ

隣人現れず、だがしかし、君、諦めるに至らず【詩】

いい髑髏になりそうだと

頭蓋骨の形を褒められたので

医師になろうと思った

優しいところがあると

動物の飼育の様子を見て言うから

牧羊犬になろうと決めた

ユーモアのある絵を描くからと

ブログを薦められたので

映画館の看板描きに弟子入りした

 

遠い 遠い 昔のことで

忘れてしまったかもしれないけれど

友達の家に泊まった晩に

畳叩きながら

漫画家なりたかったんです

って泣いてたんだろう

 

シールをはがすのが上手いらしく

人を伝搬して

内装業者で勤めだした

腕相撲では負けた事は少なかったから

その場で制服を渡されて

警備員になった

地図を書くと評判になったから

古地図の分析に大学に雇われた

 

ずっと

手塚治虫だったじゃん

手塚治虫の自伝とか漫画とか

それしかなかったじゃん

漫画があったから

命を救われたって

みんなに言って回ってたやん

なぁ

いっぺん 真剣になってみい

言い訳せんと描いてみい

後悔はいつでもできる

もう、君の持ち時間も限られてる

燃やせや 命

どこまでもいけばいい

命の全てで 

歌を唄え