大いなる帰還【豚山肥太】

豚山肥太の詩と小説を綴るページ

孤独を誘いし木枯らしで、我が冬のこと、悲しき哉【詩】

 

長い 長い 関わりの時間が幕を閉じ

ベッドで横たわりながら

悲しい自分のやるせない部分を考えている

上手く 上手くできなくて

いつもこんがらがって

色んな事が終わってきてしまった

言い訳をいくら重ねても

ただ、自分は未熟だと知るばかり

いい春でありますように

いい春が来るように

君の詩を唄っていくよ

悲しくて 泣いたとて

街で君と同じ髪型の人を見つけると

もしかして、と考えて

ドキリと胸が鳴る

いつまでたっても

いつかのことで

いつかのことで

もう、戻らなくて

戻れないなら

タップダンスを踊る夢の中に

花を買いに行こう

街の花屋で安くてキレイな花を探したけれど

妙に君を思い出して

胸に木枯らし吹いて

安心して 

大丈夫。

二つの言葉でできた錠剤を流し込んで

深く眠った。

夢で君に会った気もするし

それとは全く違う人生を生きていた気もする。

誰かを好きになるのは単純すぎて

だけど、僕らは複雑に考えてしまって

上手く言えずに

曲がりくねった人生で

どうしようもなく、頭を抱えているんだ

選手宣誓のように

潔く

好きなことを伝えていたら

だけれども

恋の気持ちも罪深く

春風舞えど 罪深く

ただ、思う事のみ許されたと

私は私の孤独のうちに宇宙を作って

さみしかろうて

いずれに日が射して

くるしかろうて

誰かが手をさしのべるよ

 

優しく穏やかな冬の日は

僕らの傷を癒やしてしまって

もう、怖くはないから

もう、つらくはないから

 

そう、冬空に願っては

悲しく 別れに 舟を出す

 

いつか ちゃんとして 会えるように

ちゃんと 生きていきますから

しっかり 成長できるように 頑張りますから

冬の季節は僕らには辛すぎて

木の芽の季節に狂いし 寂しさは

いつかは 誰かと 救われし

悲しみの谷の後で 救われし