大いなる帰還【豚山肥太】

豚山肥太の詩と小説を綴るページ

春なることの罪深き【詩】

お昼休みのあとの校庭には

あの子の髪のなびいたあとで

どおしようもなく切なくて

学生服で逃げ出した

ゲームセンターで

いつまでも、あの子を思って

終わらないシューティングゲーム続けるのでした。

ベストラップの出ないレーシングゲームやり続けるのでした。

 

人生すべてが青春で

中二病とか知りもせずに生きてました。

 

放課後の黒板に

大きな大きな化け物を描いて

思春期とローマ字で書いて

駄菓子屋の一番端の席で

いつまでも、オトナの週刊誌見ては

あの子の事で胸がいっぱいでした

 

炭酸水とスナック菓子だけじゃ

行けない場所があることを知って

悔しくて 悔しくて

音楽の教科書にいつまでも

落書きしては逃げ込んでいました

やっぱり、

人生すべてが青春で

春の桜は別れでした。

 

いつか、行った修学旅行の夜の旅館で

呼び出しくらったあいつのあとを追って

今日まで彷徨いあぐねて

あの子を探していました。

青く 青き春のこと

すべての すべては 素晴らしい

何もかもを肯定するように

あの子の髪のなびいたあとの

シャンプーなのかリンスなのかの

香りの中の

青春でした。

そうこうしているうちに

人生すべてが青春でした。

今夜もあの子に会える気がして

ギターのチューニング合わせるのです。

春のこと

なげきに近く 青すぎて