大いなる帰還【豚山肥太】

豚山肥太の詩と小説を綴るページ

ボイジャーに告げる【詩】

君は最低と言って

吐き捨てるようにタクシーをつかまえる

行き先は 

いつかでもなく あの頃でもないから

涙目で伝えんだ


あの子は手を振り

サイコーと叫びながら

男の助手席に飛び乗ると

はしゃいだ声で言うんだ

もう、こんな作り笑いしないでいい場所なら

どこへでもって

 

プログラムされた回路は言う

何もかも忘れさせて

全て消してしまって

人の記憶の中でさえもういたくはないと

新しい一日に向かうために

昨日までの事は忘れさせておくれ

ヘイ ヘイ カウボーイ

君は元気かい?

 

カウボーイはどこかで

それを見て、つぶやくよ

この村も、色々と限界さ

だけど、今日、新しい種を植えたから

何も変わらないこの土地にも、明日は来るんじゃないかって

耕すことの毎日さ

背景 ボイジャー17号 君の調子はどうだい?

 

空を見上げたボイジャー

新聞の見出しにそれを見つけると

明日、新しい惑星の軌道上に乗るのさ

いつも、腹ぺこだから

今夜は、新しいオイルにありついて

ステレオ鳴らして 眠りにつくさ

good night 

ビックマックラーメン

そちらの天気はどうだい?


ビックマックラーメンとは

僕の事で

それじゃはじめさせていただくよと

誰かのように生きたくもあったけど

自分で新しい人生を生きたいんだ

ヒーローインタビューに答える準備をいつもしている

勝手に一人でインタビューに答えている

そんな毎日でおめでたい自分も、もう、この年さ

まだ、若い頃の消しようもない自分の文章を

みつけては

やっちまってると顔が赤くなるけど

そんなもんだよ

人なんてさ

ロボットでもミスするんだから

間違いだらけさ

僕らなんて

年が少しは 間違いのごまかし方を

教えてくれた気もするけれど

まだ、まだ、昨日の自分のポエムを見ては消し去りたくて

悶絶している。

でも、おかしな言い方だけど

恥ずかしいことをしないと

誰かに伝える様な事はできないんじゃないかって。

そう、思うから

赤面するポエムってやつもそのままにしておくよ。

ずっと、本当に生き地獄の様な毎日で

何年か前から、よくなったけど

まだ、上手く調整できなくて

一週間、家に閉じこもってたら

人が怖くて

でれなくて、どうしようもなかった。

天気も何も

わからない

でも、星空はキレイだろうね

おにぎりが食べたいよ

ウインナーと卵焼きと

 

全く 上手くはいかないけれど どうだい

複雑骨折した様な人生は?



相変わらず こっちも大変だけど

大丈夫。

もう、大丈夫。

そう、言い聞かせて。

今、タクシーから見える夜の川面を眺めてる。

まだ、チケットはあるから

このチケットは捏造しようが自由なの

明日

ってだけ書かれたチケット持って

今夜、流星群へ飛び込んでいく

 

このタクシーでいけない場所はないから

Please?

 

幸せだとも思ったけど

そうでなくなるのも以外に早くて

時のうつろう

まにまに

ハローワーク通いの毎日さ

だけど、訳知り顔ではほってはおけない

きっと誰ではない

自分にはなれたはずだから

とにかく 今は よく

眠るよ

誰も傷つけたくないし

傷つきたくも無いから

 

怖いから 逃げてもいいんだと

まず、許してあげなくちゃ

誰になんと言われようとかまわない

誰にどう思われようがかまわない

しかたないじゃない

そう 思うしかないのが 人生ってやつみたい