大いなる帰還【豚山肥太】

豚山肥太の詩と小説を綴るページ

青い慟哭の海

ふと、気がつくと

 

何日も人と話していないことに気がつく

 

一ヶ月くらいはメールも受信していない。

だけれども、この孤独の海は穏やかで

 

日がな一日

 

ラジオを聞いて、雑誌を読んで、映画を見て

 

毎日が終わる。

 

この青い 青い 慟哭の海に

 

わたしはおだやかな時間を見つける事に成功した。

咲かない人生の何が悲劇だろう

 

価値観にとらわれていた自分は消え失せて

 

映画とラジオと雑誌だけの海の中へ

 

わたしを安らかにおしやってくれる。

もう、じゅうぶんに生きたから

 

本当を言うと安楽死でも選べるなら

 

もう、いっそ今、終わってしまってもいい

 

そんな事は何年も前から頭を離れない

もっとおっぱいなめときゃよかったとか

 

くだらない事も頭に浮かぶけれど

ずっと生きてるだけで地獄の様な人生だったから

 

こんなに穏やかな時間なら

 

このまま

 

いいエンディングにしてしまいたい。

冒険も挑戦もしなかった。

 

だけどやれることはやった。

言い訳の必要のないくらい出し切った。

 

流木の様に

 

うつろう日の陰りのように

 

わたしは季節の落葉のひとつのように

 

生涯を閉じてしまいたい。

自殺する勇気はないけれど

 

どこかにいい安楽死の方法があって

 

Amazonで手に入るくらいのものならば

 

誰にも迷惑をかけないようにして

この醜い男のくだらない人生を閉じてしまおう。

 

だけど最後は幸せだったことは宣言して。