街の夜の住人達は【詩】
なぜか
もう会えない気がして
ふと
夜中に起きた
煌々とついた部屋の灯り
夜の音が街を静かに鳴らしていて
僕は空気清浄機の静かな音に
耳を傾けて
あんまり
上手く息ができたい
まるで
夏休みのプールの
25メートルの試験のように
この街では
ちゃんと生きられなかった
と後悔の気持ちを
言うことで
どこか許されようとしている
神仏の存在を肯定も否定もしないけど
イメージ的には
僕の心の中の一番
空白で大きな場所へ
罪をおかしたことを
伝えた
人間になろうとした
また、人間になろうとした
いつの間にか
忙しさや充実した毎日で
忘れてしまっていた
私は人間ではないことを
どれほどの魂が今
人間であることと
人間を辞めることの
間の狭間で必死にもがいているのだろう
僕は随分前に人間を辞めた
それは、もう戻れないということ
普通の暮らしがおかしいということ
僕は世界中で一番醜い
醜いなにか
であって
決して人間などではない
世界の社会の四隅に静かに暮らすことだ
お前は人間ではない
と同義語を雨の様に受けた季節はとうに過ぎたけど
あの時に人間ではなくなったのだ
人間の真似をするな
ずっと、そんな鈍痛の様な気分が続いていた
30くらいまで
また、戻らないと
人間の真似事たぁ
笑えるね
誰かも知られずに
誰からも話しかけられずに
社会の四隅で生きていく
夜の街の静かな音は
お前は夜だけ街に出てもいいというようで
僕は髭を剃って
髪の毛を整えて街に出た
思うことはずっと
怒られないかな
怒られないかな
人間の真似事して
もう辞めたはずなのに
時々、涙が出るほど
人間でありたい
普通の暮らしがしたい
だから、歯をくいしばって
馬鹿にされようと
人間になるんだ
本当はそう叫びの様にいつも思ってるんだ
もう、怖がらなくていいからと
自分に言ってやりたいのさ
もう、あの頃じゃないから
街のあちこちでは
オーケストラの様に
人間になった魂達が賛歌をただ歌ってる
また、会えるかも知れない
そう、思うことにして
僕は、やさしい言葉を集めている