大いなる帰還【豚山肥太】

豚山肥太の詩と小説を綴るページ

2017-03-08から1日間の記事一覧

宛先には誰もおりません【詩】

行く当てのない手紙 宛先のわからない手紙を書いている 何年かに一度生まれては 宛先は生まれては消えていく もともと、私がこんな暮らしでなければと もともと、私がこんな生き物でなければと そんなことの最中の内に 君には出してはいけない手紙を書いてい…

六月と九月と、今日の君へ【詩】

どうして あの場所で 僕は君に気付いてしまったのだろう 美しいことは知っていて 利発なことは知っていて だけど 世界のそこら中の その他大勢だと決め込んでいた 僕の人生に関係無い ただのとびきり美しい人だろうと 忘れた 色々 忘れた 感情も消えた 失っ…