大いなる帰還【豚山肥太】

豚山肥太の詩と小説を綴るページ

2017-02-01から1ヶ月間の記事一覧

布団の中に逃げ込んで思うのだ【詩】

わかってらいと 人はひとりと 口うるさいから 黙って 布団をかぶって 泣いていた 誰か話を聞いておくれ 少しでも長く聞いておくれ 流されいく歴史のマイルストーンの建設の音は 鳴り止まず わたしは 黙って 布団をかぶって 泣いていた 名前の理由をたずねよ…

名も無き人への切符【詩】

彼女はいつもことばかずが少ない。 100年間に渡る、人々の争いを見続けながら 彼女の発した言葉は アイ ラブ ユー と ミー トゥー だけだった。 今世紀の終わりにかけて蔓延した 言語の体系的な破壊は ベゲタミン ベゲタミン ボルタレン ボルタレン スープの…

落葉の墓碑【詩】

ふと、気がつくと 何日も人と話していないことに気がつく 一ヶ月くらいはメールも受信していない。 だけれども、この孤独の海は穏やかで 日がな一日 ラジオを聞いて、雑誌を読んで、映画を見て 毎日が終わる。 この青い 青い 慟哭の海に わたしはおだやかな…

ファン・ゴッホが歌うから【詩】

100年たったら、また、来なよ 修司はそう言ったのかな 人は自分の事をわかったようで わかれなくて 傷つけて 傷ついてばかりさ ヘイ Mr.アインシュタイン そちらの世界では 人間関係は解決したかい? 相対性理論よりは こっちでも、今日もベストセラーが売れ…