大いなる帰還【豚山肥太】

豚山肥太の詩と小説を綴るページ

ここにいた理由【詩】

何もかもの私をつなぎとめているものは失われてしまった

 

もう、この場所から私の方から去るのがいいのだろう

 

もう、何かこだわらなければならないことなどない

 

人生は旅だ

 

ここを離れたからといって、また、旅が回りだす

 

沢山の人との沢山の思い出がここに私を留まらせた

 

もう、誰もいない

 

静かな湖の水面のように

 

湿り気のある空気が周りにあって

 

みどりの香りがしている

 

悪いことは忘れたよ

 

ここから、また、はじめればいい

 

そして、少し眠ろう

 

一つの旅は終わった