大いなる帰還【豚山肥太】

豚山肥太の詩と小説を綴るページ

再開

結局ダメでしたね。

 

目の前を「結論」がニヤニヤ笑いながらこちらに確認の返事を促してくる。

 

まだまだともいいたくないし、そのとおりとも認めたくもない。

 

森の中の樹々の葉は誰に言われる事もなく伸びている。自然の摂理の中で。

 

専門学校の中での葛藤とかもうそういう事はいいんだ。

 

僕は愛に似た何かを叫びたくなってくる。

 

知らない人ばかりの所でも絵を描いてたら誰かが話しかけてくれてそうやってこの星に自分の居場所を見つけてきたんだよ。

 

「結論」はなかなか返事をしない僕に向かって判を押した。

 

判には、失敗、言い訳、逃避、間違い、幼稚、あらかた嫌な言葉が詰まって彫られていた。

 

僕はその場所からヒト型に密集した蟻達に両袖をつかまれてファーストフードのゴミ箱に投げ入れられた。

 

夜明けが近づいた24時間営業のファーストフード店ではゴミ箱に入った僕以外若い男が二人いるだけだ。

 

片一方はLサイズのコーラをもう一方はMサイズの烏龍茶を飲んでいる。

 

若い男達は熱っぽく「これから」について語っている。

 

僕は天井から暗幕を下ろすと下手な鼻歌をオープニングにして

 

「結論」に向かい皮肉混じりに両手でピースサインと笑顔を浮かべながら

 

人生をはじめることにした。