二月の初夢【超短編小説】
ヨーロッパの小国の王女のもとに、フランスの王女とのテニスの試合が持ちかけられる、小国の王女は、もとテニスのエリートだが、心臓を患い病の床だ。
しかも、試合はフランス王女に有利な試合形式で進められることが決まった。
試合直前に訪れる、急遽つけられた異国の老獪なコーチ、僕は、留学中の学生として、その試合に出会うことになる。
僕は、老獪なコーチにたずねる。なぜ?この試合を受けた?と、小国の王女に勝機はあるのかと、コーチは答える。
フランスの王女様はベイビーさ、この国の王女はテニスのエリートさ、君もそうだろう。ジュードーボーイ?
僕は、嵐の様に本が吹き荒れる街の中を歩きながら、ドキドキしながら、練習はできているのかと、自分のジュードーに不安になってくる。
大きな本屋だけの街に来て、本を漁る。漫画家になるためには、もっと本を読まないと、もっと、色んな表情の人間を描けないとと、気持ちが焦る。
僕は、概論の様な本だけ大量に買っている。自宅の本棚の本には、手をつけぬまま、また、あれやこれやと、本を買おうとしている。
ぼうっと、目が覚めて、ありゃ、本に怒られた夢かなと、本棚の本を眺めた。フランス王女との試合結果もわからぬまま、気がつくと、つけっぱなしのパソコンからは、久石譲の映画音楽が流れている。