大いなる帰還【豚山肥太】

豚山肥太の詩と小説を綴るページ

人生への参加表明の宣言【詩】

病の底で

僕は今夜、産声をあげる

どうして、こんなにキツいんだと

どうして、こんなに痛むのだろうと

雨に嵐に春の風の便りにて

君の企てたはかりごとは

見事に僕の心を打ち砕いて

雨か嵐か

僕の心は

雨に嵐で

涙のごとは滝のごとく

痛みを知らずに

春の便りを受けし芽吹きの中で

我が生涯はいかなる行方と知らぬうち

我が生涯はいかなる破局と知らぬうち

今、全てが雷鳴うななき、さんざめき

我、ひとり、雨に嵐で

どうして、こんなにキツいんだと

どうして、こんなに痛むのだろうと

僕は今夜、たった一人で全てを知る

君が企てたはかりごとは

僕に信じる力を奪い

僕に続ける力を奪い

笑顔の季節を丸ごと黒く塗りつぶした

春に雨に夏に嵐に

秋に雨に冬に嵐に

全て去りし 

病の底で

今夜、僕は産声をあげる

私は生きていると感嘆し

真っ直ぐに眼差しを向けて

光を捉えてもう、はなさない

すべては過ぎし日の事で

傷の痛みも癒えぬかも知れぬ

嗚呼、畜生!

僕は今夜、産声をあげる

僕は銀河系に、参加の意思を伝える

今宵、Strangerは、足早に舞台に立つ

嗚呼、畜生!

こんなことはもう知らない

私が生きているということは幸福だということ

後悔と挫折の集積の果てに

ああ、ちくしょうっ!

ああ、ちくしょうっ!

世界が素晴らしいとは既知のことで

人生に意味があるとは刻んだことで

ただ、幸あれと

ただ、幸あれと

五月の風が吹いたら

口笛吹いて

私は結晶へと向かう意思になる