大いなる帰還【豚山肥太】

豚山肥太の詩と小説を綴るページ

苦しみをキャンディーの味にして【詩】

つらい思いをすればするほど

そのスタンプは大事なもので

僕はここんとこにズタボロの

スタンプを自分で押した

ノートがあってさ

本当に色んな事があったから

どういっていいかわからないけれど

本当にひたすらに辛かった

いつかの頃と比べると

今の僕にはスタンプを押す日々がある

37才なのにあのおじさん変だよって笑われても

それを我慢するスタンプを押せるように

それを受け流すスタンプを押せるように

生きることとか人生だとか、本当に、ただのイメージの様な事を

言い続けて

上手くスタンプを押せない毎日で

へたり込んで、二度と出ていかないぞって

自分に閉じこもって

だけど、誰かのイタズラなのか、いや、そんなもんじゃない

光は差すんだよ

だから、僕は全身全霊をかけて

光に向かって一気に突き進む

そこにあるのは

ギョウザとラーメンかも知れないね

だから、さよならをいつも言ってしまって

だいぶ、後から言わなきゃ良かったって思うけど

その時はどうしようもないから

金輪際って思っている

だけど、光は差すんだよ

それを、いつも忘れてしまっているんだ。

誰に何と言われようと

人に抱く肯定的な感情は否定させてやんないんだ

もう、小学校の低学年くらいの時に

素晴らしい人間になろうと思った

当時、読んでいた偉人伝に出てくるような

でも、19才の僕は中卒でコンビニでガタガタ震えながら

女子中高生のお客さんにビビりまくってた

今、気づいたけど

あの時の上司が怖くて

毎日、話そうとすると声が震えて

何か渡そうとすると持ったものが震えた

あの頃の僕にもスタンプはあったはずなのに

押すノートもスタンプの存在も知らなかった

ただ、人生は辛いだけだって

そんな、日々だった。

鼻歌まじりに

恋の歌を歌えるようになったら

また、来なよ

そうやって、いつも行くお好み焼き定食のお店のマスターは言っている

疲れたら、おいしいもの食べて

しこたま眠るのだ

明日にはまた、明日の風もふけば、口が臭くなって起きるのだ

ついでにおならかまし

ああ、生きているな

そう、思えたら、それはそれは

風に桜に滝に城

わたしはわたしであったことを後悔はしない

そう、代表選手は宣誓すると

僕は、寝転びながら

伸ばした手でスタンプ押した

自分は生きてていいんだって思えることは大事なんだ

自分は生きてていい人間だって思っていいんだ

知っているだろう?

僕はもう、あのガタガタのコンビニ店員の時に完成していたことを

せめて苦しみを

キャンディーの味に