キャンバス人生【詩】
君がいつか描いた絵が
とても大きな美術館を飾っては
街中のポスター貼り替えては
あの子のハガキで潜んでる
食えない絵描きの多い大陸に
僕らは紙とインクと油絵の具に
透明水彩、クレヨンに筆ペンたたきつけては
真新しく明けていく
自分の絵に激しくも
半生かけて描きました
例え、いかなる風ふけど
描くことやめる日はこないでしょう
雨の降った曇天の世も
世界のどこかは晴れてるように
終わりのない
これが生きる姿と決めたから
逃亡の果てに決めたから
かくも悲しき深手をおいながら
さほど、傷ついたふりもせず
君に真っ直ぐに描く絵は
SAME
SAME
って叫んでる
茨のようだろ そちらの道も
こちらは 何とか 人を信じることを知り始め
ふさぎ込むよな気持ちでも
誰かがきっと
どこかにいるから
笑えることと
真っ直ぐに信じることを
恥じることはせずに生きていけ
くだらないこと言ってケラケラと
笑えた頃があっただろう
あの時もっと、確かなお互いを
みていればとも思うけど
真新しいシーツのように
陽の匂いのするベッドに転がって
いつまでも笑って
にやついて
コンポからは
あの頃、大好きだった
宮沢和史が
「ありがとう」と云う歌を歌ってて
泣きながらそれ聞いて
歌ってた
僕も、ありがとう と歌ってた
この世に一人じゃないと知れたことがあの頃の僕にどれだけ大事だったろう
新聞、ニュースは書き立てる
バカな若い奴が、また、大バカやったと書き立てる
悩み抜いた青春くぐり抜け目覚めた僕らは
それ聞いて
何も変わってないのが可笑しくて
僕らがどれだけ苦しもうと
世界は相変わらず
何も変わらず回ってて
僕らは大きなアトラクションの座席のように
自分の自身の人生の場所で生きることを始めたのです
トゲだらけの言葉が
喉も通らずに胸をかきむしりながら
僕の中を流れてく
最近、僕は一つ覚えたよ
人を信じることは悪くはないと
今も凄く怖いけど信じてみるんだ
そしたら、少しは
僕も誰かにやさしくなれるんじゃないだろうって
今度、ギターが弾けたらば
名もない絵描きの歌を唄いたい
今は誰もが知ってる絵描きだけど
こんなに涙の時代もあったのさと
こんな怯えの時代もあったのさと
君のことだとわからぬように
誰もがせわしい街中の歩道橋の上で
歌ってく
宮沢和史じゃないけれど
ありがとうって歌ってる